喫煙に関連する疾患
「タバコは体に悪いことはわかっているけど・・・」と仰る方は多いのですが、喫煙の悪影響は1つだけではありません。様々な病気で因果関係が示されています。
ほかにも因果関係が推定される病気がたくさんあります。
がん | 大腸がん、腎孟尿管・腎細胞がん、乳がん、前立腺がん、急性骨髄性白血病、生命予後悪化、再発リスク悪化、治療効果低下、抗癌剤等の副作用悪化 |
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循環器疾患 | 胸部大動脈瘤 |
呼吸器疾患 | 気管支喘息の発症および増悪、結核の発症および再発、特発性肺線維症 |
その他 | 虫歯、口腔インプラント失敗、歯の喪失、閉経後女性の骨密度低下、大腿骨近位部骨折、関節リウマチ、認知症および日常生活動作、女性の生殖能力低下、妊婦の子宮外妊娠・常位胎盤早期剥離・前置胎盤 |
改正健康増進法やたばこ増税政策もあり、日本全体が喫煙から距離を置くようになっています。
代表的な銘柄であるセブンスターを例に上げると、1箱あたり600円となりました。
1日1箱(20本・600円)吸っていた場合
1年 | 600円x365日 | 21万9千円 |
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5年 | 600円x365日x5年 | 109万5千円 |
10年 | 600円x365日x10年 | 219万円 |
とかなりの金額になります。
禁煙できれば、毎年約22万円が節約でき、家族で毎年旅行に行けますね!
禁煙外来とは
禁煙外来は医療機関で行われている禁煙サポートです。3か月にわたり診察と「禁煙補助薬」を使ってあなたの禁煙を支援していきます。
- ニコチン依存症の判定テストが5点以上
- 35歳以上の方は、「1日の喫煙本数×喫煙年数」が200以上
- ただちに禁煙を始めたいと思っている方
- 禁煙治療を受けることを文書で同意している方
の条件を満たす方は、禁煙外来を保険適応で受けることができます。
また、過去に禁煙外来がうまくいかなかった方も、その初診日から1年を経過していれば、保険適用で再治療できます。
禁煙外来の実際
内服薬もありましたが、出荷調整中で現在は使用できません。
禁煙補助薬であるニコチネルTTSを用います。
ニコチネルTTSによる禁煙治療を受ける方は、12週間に計5回通院します。各診療では、受診状況の問診や呼気中の一酸化炭素の測定、離脱症状の有無や対処療法のカウンセリングや治療を行います。スケジュールに沿って治療を進め、禁煙を続けましょう。
禁煙外来の費用
保険適用で禁煙治療を受けられる場合、3割負担の方で、合計で13,000~20,000円程度となります。
禁煙治療の期間は12週間ですので、仮に1日1箱タバコを吸う方が禁煙治療に取り組まれた場合、12週間のタバコ代は50,000円程度となり節約に繋がります(600円x84日)。
経済的にも禁煙治療を受けるメリットは大きいと言えますので、健康のためにも、節約のためにも是非、禁煙外来をご活用ください。
禁煙外来のQ&A
- 入浴時などで一度はがしたニコチネルパッチを、再度使用することは出来ますか?
- 一度使用したもの、はがしたものを、再度貼ることはおすすめできません。はがした場合は、新しい薬剤を貼りましょう。
- ニコチネルパッチを貼りながらニコチンガム製剤を使用しても大丈夫ですか?
- 本剤を貼ったまま、または、はがした直後にはニコチンガム製剤を使用しないでください。ニコチンを過量に摂取してしまうおそれがあり、副作用があらわれやすくなります。
- ニコチネルパッチを貼りながら喫煙しても大丈夫ですか?
- 本剤を貼ったまま、または、はがした直後には喫煙しないでください。ニコチンを過量に摂取してしまうおそれがあり、 副作用があらわれやすくなります。
- 半分に切って使用しても良いですか?
- 切り分けて使用しないでください。本剤は、ニコチンが含まれている層を特殊な層でくるみ、ニコチンが少しずつ体内に浸透していくよう工夫されています。切ってしまうとその構造が壊れ、ニコチンを一定量ずつ体内へ浸透させることができなくなります。
- 一度に2枚以上貼っても良いですか?
- 本剤は1日1回、1枚を貼ることが正しい使い方です。一度に2枚以上貼ると、ニコチンの過量摂取になるおそれがありますので、用法・用量を守って正しく使用しましょう。
- 離脱症状にはどのようなものがありますか?
- 一般的に、禁煙開始後2~3週間程度の離脱症状があると言われています。どう乗り越えるかが、禁煙達成のポイントになります。この時期をうまく乗り越えれたら、禁煙成功は目前です。
離脱症状について
- イライラする
- 落ち着かない
- 怠い・頭が重い
- 眠い
- 口が寂しい
- タバコが吸いたい
といった離脱症状がでたら
気分転換
- 軽い運動や体操
- 深呼吸
- 散歩
十分な睡眠をとる
- 早寝を意識する
- 短時間の昼寝をとる
口寂しさを改善する
- 氷を口にする
- お茶をのむ
- 歯磨きをする
- うがいをする
- キシリトールガムを噛む
など、自分にあった対策をして乗り切りましょう。