発熱
人間の体温は、脳の視床下部にある「体温調節中枢」によって一定に保たれています。ところが、さまざまな原因によって炎症性サイトカインが放出され、脳の体温調節中枢を刺激することで体温調節中枢の設定温度が高くなり体温が上がり発熱します。
発熱の原因としては、以下のようなものが考えられます。
- 細菌やウイルスなどの感染症(免疫機能を高めるための生体防御反応)
- 自己免疫疾患(自分自身の組織や臓器に炎症を起こす疾患)
- 悪性腫瘍(がん)
- 薬剤の副作用
発熱で懸念されるのは脱水症状です。発熱による発汗や食欲低下によって体内の水分は容易に失われます。口の中まで乾いているような場合は特に気をつけねばなりません。脱水予防のため、スポーツドリンクなどで水分と適度な塩分を補給することが大切です。また高齢者は脱水症状が出にくいことがあるので、発熱時は早めの水分補給を心がけましょう。
発熱のチェックポイント
①症状の有無をチェック
- 発熱は38℃を超えるか
- 発熱はどのくらいの期間続いているか
- 解熱するときはあるか
- 脱水症状はないか(口の中の渇き)
- 食事や水分はとれているか
- そのほかの症状はどうか(咳、関節痛、嘔吐、下痢など)
②病歴をチェック
- 飲んでいる薬やサプリメントはあるか
- 他に罹ってる病気はあるか
- 感染症の患者との接触があったか
- 海外渡航歴はあるか
- 周りに同じような症状の人はいるか
注意すべき発熱
高熱が持続する
人によって体感に違いはありますが、風邪による発熱では高熱になることは少なく、発症から2〜3日で解熱することが一般的です。しかし38度以上の高熱が続く場合は、他の病気の可能性がありますので、医師の診察を受けましょう。
呼吸困難や胸痛
一般的に風邪による発熱では呼吸困難や胸痛を起こすことは少ないのですが、胸痛や激しい咳などの症状が現れた場合は、肺炎などのより重症の感染症が関与している可能性がありますので、医療機関へ受診してください。
意識がもうろうとする
意識障害は、それ自体が危険な兆候です。「返事をしない」「応答がおかしい」などの異常があれば早急に救急病院へ受診してください。
高齢者や基礎疾患がある方の発熱
高齢者や、糖尿病や心臓病、自己免疫疾患、癌などの基礎疾患がある方は、感染症に対する免疫が弱く重症化しやすいことが知られています。我慢して様子を見ることなく医療機関に受診することが大切です。
当院の発熱外来
当院では専用フロアによる発熱外来が可能です。WEB予約、WEB問診、スマート決済を導入しスムーズな診療ができるように心がけております。
下記の検査が当日に施行可能です。
- インフルエンザ抗原検査、新型コロナウイルス抗原検査
- 血液検査(炎症反応、生化学検査、血球測定検査など)
- 尿検査
- レントゲン検査
血液検査については採血後10~15分で結果が出ますので当日にご説明いたします。検査のご希望について、事前に問診でお答えいただくとスムーズなご案内が可能です。
発熱外来はこちら発熱の時の過ごし方
発熱して体力を消耗しているときは十分な休息をとり、体の免疫を整えることが大切です。外出は控えて、手洗いやうがいをまめに行いましょう。
十分な睡眠
睡眠の質と免疫機能には関連があります。睡眠が不十分だと風邪をひきやすいという研究結果が報告されています。弱った免疫を整え、回復するためにも睡眠は大切です。スマホやパソコンはOFFにしてカフェインや飲酒・喫煙は控えて眠りましょう。
食べやすい食事
発熱していると食欲も沸かなくなりますが、栄養は必要です。消化の良い食べ物を少しずつとるようにしましょう。
- おじや
- りんごのすりおろし
- ゼリー飲料
- スポーツドリンク
などを少しずつ摂りましょう。
刺激の強い食べ物やお菓子、また食物繊維が多い食べ物は吸収が悪いため避けた方がよいでしょう
禁煙と節酒
喫煙や飲酒は免疫を弱めてしまいます。発熱時はとくに避けましょう。